無絶縁DS－ATC の開発と実用化

摘要

これまで、無線緑軌道回路は、有絶縁軌道回路と比較すると制御できる距離が短いため経済的に劣るとされ、特殊個所を除き適用されることが少なかった。しかし、無絶縁軌道回路はレール周りの現場機器が少なく保全性が良いことから、有絶縁軌道回路と同等の軌道回路長（1,000m）を制御可能な新幹線用無絶縁軌道回路（DS-ATC 対応）の開発を行い、経済化を図った。シミュレーションによる検討において貯雪・トンネル区間では軌道回路長1,000m、散水消雪区間では同500m をそれぞれ制御できる見通しが得られた。その後、各種試験を行い、平成22年12月に開業した東北新幹線（八戸～新青森間）へ無線緑DS-ATC を導入した。本稿では、開発経緯と試験内容を紹介する。