液中プラズマ法による新規カルシウムアルミネー卜化合物粉末の合成と構造解析

摘要

近年さまざまな分野でエネルギー問題や環境問題の解 決が喫緊の課題となっているが，材料開発の分野におい てもこれらは重要な課題である。多くの研究者によって さまざまなアプローチによる材料開発が行われている力が， 日本では多くの資源を海外からの輸入に頼っている現状 から，高価なレアメタルなどの希少元素を用いない材料 開発という観点での材料開発もまた極めて重要となって いる。我々の身の周りに数多く存在する元素の存在量を 表す指標としてクラーク数（地表を構成する元素の存在 量を表す）が知られている力《，クラーク数の上位10位に 入る元素である酸素，アルミニウム，カルシウムからな る12Ca0.7Al_2O_3 (以下C12A7と略す）の高機能化につ いて細野らは数多くの興味深い報告をしている[1-4]。力 ルシゥムアルミネートであるC12A7は100年以上前から アルミナセメントの原料成分として利用されていた材料 であり.この結晶は空気中での水蒸気の吸収•脱離現象 を示すことが知られていた[5,6]。細野らはこのC12A7結 晶内にはS4対称性（4回回映軸）を有する約0.4 nmの力 ゴ構造が存在し，かつそのカゴ内の陰イオンをさまざま な陰イオン種で置き換えることにより高電子電導性[1], 光による透明電子回路描画[2],高酸化触媒特性[3],高効 率のアンモニア合成触媒としての特性[4]などの新たな機 能を発現させられることを報告している。%12CaO·7Al_2O_3 (so called C12A7) has been known as mayenite, which is a component of alumina cement. As the crystal is composed of positively charged nano-cages, it can clathrate several different anion species and show different outstanding properties, e.g., high oxidizing ability, high conductivity maintaining its optical transparency, catalytic reactivity for producing ammonia from nitrogen and hydrogen gases, etc., depending on the chemical species clathrated in the cates. In the present study, we focus on the newly obtained C12A7 prepared by solution plasma process and examined its phase stability and crystal structures of the unknown C12A7. TEM， XRD， TG-DTA analyses revealed the unknown C12A7 phase has large lattice parameters and small crystallite size compared to the standard (normal) C12A7 phase and is unstable in O2 containing atmosphere, whereas is stable in H_2 atmosphere.