相対論的流体方程式の数値的解法l

摘要

1日1度程度の頻度で観測されるガンマ線バーストと呼ばれる現象は，光速の99．99％以卜にも及ぶ趣相対論的速度 をもったアウトフローからの放射であると考えられ，主にガンマ線の波長で数秒から数仁秒間夜空で最も判るく輝く大体 現象である・このような現象では相対論的効果が無視できない．ガンマ線バーストだけでなく．宇宙ジェットや／くルサー風 あるいは地上の垂イオン加速器で生成されるQGPなど，様々な時間・平間スケールにおいて相対論的流体が見られ，現象 を理解するために相対論的流体方程式を数値計算で解く試みが行われている．数値計算法は1950年代から始まる非相対論 的圧縮性流体方程式の数値解法の応用として発展してきた．1990隼代から．本稿で紹介する解析的，近似的リーマン解を用 いるゴドノフタイプのスキームが相対論的流体方程式に応用され21世紀に入って相対論的宇宙ジェット，ガンマ線バース トジェットなど天体物理学，あるいはQGPの解析など核物理の分野で数値流体シミュレーションによる研究が進んでいる． 本稿では，圧縮性流体方程式の基礎的な笥項も含め，相対論的流体の特性など基本的な罫柄を述べ．次州こ数値計算スキー ムに関して概観する．