大規模集約型ストレージシステムにおけるボリュームの性能排他を実現するハードディスク装置の性能分割制御方式の提案とシーケンシヤルアクセス特性の評価

摘要

大規模集約型ストレージシステムには，複数の計算機を接続して利用するため，各々の計算機からアクセスが発生すると，ハードディスク装置などのリソースでアクセスが競合し，各計算機に割り当てられたボリュームの性能が変動する．このため，各計算機でのボリュームの性能をあらかじめ見積もることが極めて難しい．この課題に対し，我々はハードディスク装置における動的抑止時間割当方式による性能分割方式と，性能分割適用によるボリュームの性能設計手法を提案している．提案する性能設計手法を実用的なものとするためには，既に評価済みのランダムアクセスにおける性能分割だけでなく，各計算機からのアクセスにシーケンシャルアクセスが混在する場合においても，高いシーケンシャル性能と性能変動率を低く抑えた性能分割を実現する必要がある．そこで，本論文では，我々が提案する動的抑止時間割当方式において，高いシーケンシャル性能と低い性能変動率を両立するための改良方式を検札　ランダム配置方式と性能分割対応のプリフエッチ方式の組合せを提案する．また，プロトタイプを用いた実験とシミュレーションにより，シーケンシャルアクセス性能と性能変動率を二つの評価パターン（シーケンシャルアクセスとランダムアクセスの混在・複数シーケンシャルアクセスの混在）で評価する．