歴史ある名刹の情調と調和し、文化財を照らす新時代の照明

摘要

京都の「旧嵯峨御所大本山大覚寺(以下•大覚寺)」は、平安初期に嵯峨天皇の離宮として建立され、1200年以上の 歴史がある古刹として名高い。華道嵯 峨御流発祥の「花と心経の寺」としても 親しまれ、境内の心経殿には、弘仁9年 (818年)に嵯峨天皇が浄書された般若 心経が勅封として奉安されている。こ の年が戊戌（つちのえいぬ）であったこ とから、干支が戊戌に還る60年ごとに宸筆（しんぴつ)が開封され、大覚寺で は戊戌開封法会が挙行されてきた。今 年2018年は、ちょうど1200年目の「戊 戍開封法会」（ぼじゅつかいふうほうえ） が執り行われる勝縁の年に当たる。「10 月から11月の戊戌開封法会において は、明るく、ちらつきのない灯りの下で、 お参りの方々にゆっくりご参拝いただけ るようになっている」と語るのは、大覚 寺執行長の伊勢俊雄師。