記憶は脳のどこにある？記憶力は上げられる? 記憶と脳の特集です

摘要

記憶は脳の中に蓄えられる。これについて異論を唱える人はほとんどいないだろう。では記憶は，脳の中のどこに，そしてどのようにして蓄えられているのだろうか？とたんに答えはむずかしくなる。記憶を思い出すメカニズムともなれば，さらにハードルは上がる。脳の中には1000億もの神経細胞があるという。私たちの銀河系にある星の数も，ちょうど1000億程度と見積もられている。脳の中にはまさに言葉どおり，星の数ほどの神経細胞があることになる。さらに驚いたことに，1000億の神経細胞はそれぞれ1000から1万個程度の“手”をもっており，神経細胞どうしはこの“手”をつないで“会話”をしているという。この神経細胞どうしの“会話”により，人間は考えたり想像したりといった高度な能力を発揮できる。そしてそのような能力を支えているのが，記憶なのである。来月号のNEWTON SPECIALでは，近年進展著しい記憶研究の最先端に迫る。記憶の謎はどこまで解明され，そして脳科学者たちは現在，何に頭を悩ませているのだろうか。