JR東日本東京感動線特別展: 『あさって』の駅——わたしたちの暮らしと駅のこれから

摘要

JR東日本が掲げる，山手線事業コンセプト「東京感動線」とアジェンダ（「これからの観光/ッーリズム」「時代に合わせた.駅や駅員の新しい役割」「コミュニケーション八ブ/交流拠点としての駅」など）のもと，JR東日本と共同研究を行う塚本由晴氏（東京工業大学教授）が，シエイラ•ケネディ氏（マサチューセッツ工科大学教授）と合同スタジオを実施.各国の参加学生38人が提案した未来の駅が，パネルと模型で紹介された.今日，鉄道駅は単なる停車場としての役目を超え，ショッピングセンター，保育所，観光案内所などが入る，各地域に根ざした複合施設としての性格を帯びる.本展示会では，山手線を構成する駅のうち,特徴的な地域性を持つ場所に建つ12駅を選定.駅に新たな機能を与え，エリアの文化的特性と組み合わせて，社会問題を解決する拠点や，今後の地域発展の核となる提案が示された.例えば，多様な人種が集い，多国籍飲食店が並ぶ新大久保駅には，現代の子どもや高齢者の「孤食」を解消するパブリックキッチンを設置.民族の違いを超えて共有できる「食の楽しみ」から，来るべき多文化共生社会への適応を図ろうとする試みが提示された.