社会インフラの維持管理•更新の五つの重点課題とその取り組み

摘要

社会インフラの維持管理·更新の課題の重要性は、これまでも十分認識され、議論されてきた。例えば、土木学会では、1999年の鉄道トンネル内のコンクリート剥落や高架橋からのかぶりコンクリート剥落などを背景に、2001年にコンクリート標準示方書·維持管理編を新たに制定した。また、2002年度には、個別分野で発展してきたメンテナンスに関する技術に共通する方法論を見いだし、体系化することを目指して、土木学会のコンクリート、鋼構造、構造工学、地盤工学の各委員会によりメインテナンス工学連合小委員会が設置され、2年間の研究成果として、2004年3月に、テキストブック『社会基盤メインテナンス工学』を発刊している。国民の理解を求める取組事例としては、2007年度·土木学会会長提言特i員会の「インフラ国勢調査部会」報告書(ィンフラの体力測定と健康診断)がある。