平成から令和へ: 四国の新時代の発展を支える土木技術への期待

摘要

本年4月に平成が終わり、令和が幕を開けた。新しい時代の始まりに、日本中が高揚感と期待に満ちている。平成の幕開けを思い返せば、いよいよ四国の時代が到来するという明るい希望と期待に満ちていた。本州と四国を地続きにした瀬戸大橋の開通、四国の新しい空の玄関口となる高松空港開港が続くなど、新時代に向けたインフラが次々と完成を迎え、明るい未来を疑う要素を感じることはなかつた。ところが現実には、1994 (平成6)年の大渴水、2004 (平成16)年に相次いだ台風•高潮の被害、そして記憶に新しい平成30年7月豪雨災害など、大規模な自然災害が相次いだ。自然災害だけでなく、吉野川第十堰の可動化が地域からノーの声を突きつけられたほか、平成の後半には大規模事業が相次いで凍結されるなど、社会資本整備は社会からの逆風にさらされた。明るい希望と期待で幕を開けた平成は、平坦ではなく、むしろ多難な時代であった。