北海道大学水産学部と練習船おしよろ丸の役割

摘要

北海道大学は前身の札幌農学校が1876年に設立され，帝国大学を経て新制大学の現在に至るまで「フロンティア精神」，「国際性の涵養」，「全人教育」及び「実学の重視」を教育研究に関わる基本理念として掲げている.設立にあたり札幌農学校の開校式でクラーク博士が唱えた"loftyambition"(高邁なる大志）は時代を超えて大学全体を支えてきた理念である.また，札幌農学校の2期生であり，後の国際連盟事務次長となった新渡戸稲造は「われ太平洋の架け橋とならh」と当時から世界に目を向けていた.大学は現在も，その意思を受け継ぎ豊かな人間性と自由·自主独立とともに人権を尊重した「グローバルリーダー」の育成を行っている.そして，広大な自然の中，農学校から始まった水産学部の教育は常に社会に還元することを念頭に現場（地球環境）を見続け座学に留まることなく海をフィールドとしている.