總論

摘要

本稿では「超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステム」~(1)の研究開発について.背景，特長と効果，研究の内容と進行状況の概要を述べる。現在，工場の生産性向上が喫緊の課題となっている。その実現のためには，各種設備をネットワークに接続するIoT (Internet of Things)を活用することで，維持管理のノゥハウを含めて工場全体をディジタル化し，その運用を最適化することが有効である。しかしながら，産業インフラ分野への本格的なIoT導入は最新鋭の大規模工場などのー部に留まっているのが現状である。これは.工作機械等の既存設備の80%以上は導入から10年以上経過しているレガシー設備であり，ネットワーク接続を前提とした設計となっていないことが大きな要因として挙げられる。これらのレガシー設備へセンサゃネットワークインタフエース等を追加するには，大規模な設備改修等が必要となる。また，工場内に配線等を追加することも大きなコストを伴うことが負担となっており，IoT普及の課題となっている。