クラス人数規模と保育空間構成に関する研究1歳児クラスの活動場面に着目して

摘要

1歳児クラスの人数規模について、現状において最も多いとされる10人〜14人前後のクラス人数規模を有する2園と、近年増加しつつある20人以上のクラス人数規模を有する2園の計4園を対象に、"子どもの主体的な活動を大切にした環境"という視点から、保育プログラムの流れ、空間の使われ方とそこでの子ども及び保育者の動きと様子について分析を行い、クラス人数規模と保育室の空間構成のあり方について考察を行った。その結果、保育プログラムの流れにおいて、クラス人数規模が20人以上の園（C•D園）において、準備•整列•移動時間の場面が増え、また昼食から午睡への活動の移行場面の時間が長くなり行為の重なりも増える傾向が見られた。続いて各活動の移行場面において、クラス人数規模によって子どもと保育者の動き方及び空間の使われ方に違いが見られた（1)朝会から午前おやつへの移行、(2)午前おやっから戸外活動への移行、(3)昼食から午睡への移行の3つの場面について、"子どもの主体的な活動を大切にした環境"という視点から分析を行った。ここから得た設計指針は以下の3点である。