オフィスビル全体を対象とした執務者による知的生産性評価システムの開発

摘要

近年，オフィスでは，省エネルギー性とともに，高い知的生産性が求められている。本報告では，オフィス環境における知的生産性の主観評価のために提案されたシステム(SAP)を改良し，それまで扱っていた執務室だけでなく，新たに，会議室，休憩スペース，廊下およびロビー等を含むビル全体について対象を拡張した評価システムを提案している。リラックスやコミュニケーション，創造的活動のしやすさなど，知的生産性に関する環境の魅力面についても評価できることが特徴であり，データ解析により，執務室以外の場の特性も知的生産性に影響を与えることを示しており興味深い。一方で，今回解析されたデータ群の位置づけについて，その平均値が示す意味や，測定事例によるばらつきが示す実際のオフィス環境の質の違いなどについては把握しにくい面があった。今後，本システムがさらに活用され，良いオフィスの具体的な特徴についての分析が進むことが期待される。%A comprehensive assessment system was developed in order to evaluate office workers' subjective impression and productivity in their office environment as well as meeting space, rest space and outside space. Firstly this paper introduces the logic and the way with which questions were selected, designed as scale and presented in the web site. Secondly accumulated data was analyzed to show the validity of this system, using histogram of averaged evaluation of each question for each office. Finally it was found that evaluation construction of office productivity can be explained with evaluation of other spaces of building.