白色紐付き燻し和瓦の開発に関する実験的研究: 社寺建築等の屋根修理工事への対応

摘要

伝統的な白色紐付き燻し瓦を再現するために実験的検討を行った研究の報告である。近年，社寺建築などの保存·修復について材料的な観点からの検討が必要となるケースが増えつつある力建物に使用される材料·構法の成り立ちを丁寧に紐解き，その中で研究を位置付けることが，歴史的建築物の保存·修復のあるべき姿と思う。その意味で，本報告の対象となる姫路城の瓦屋根について，著者らが実施した本報告は非常に意義があるものと考える。最終的には如何に住時の色合いに迫るかが研究の目的となるが，相手が焼き物となるとその色合わせに技術的な困難を伴うことは容易に想像できる。このため，焼き物としての材料の色合いに及ぼす調合要因，焼成工程や粘土素地への.塗布方法等の影響を丁寧に検証した著者の努力にまずは敬意を払いたい。一方で，この開発された材料の経年的な色味の変化なども修復技術の評価要因としては重要となるため，今後はこのようなデータも蓄積されることを期待する。%Smoked tile roof building of temples and shrines in Japan, has a history of more than a thousand years. The tile is often smoked tile is coated with a carbon film the surface, but I was considered only a single color of silver among the long history. In repeated experiments of changing white it in this study, with the use of a tile smoke white leash resembling the roof plaster, and research aimed at prolonging the life cycle of the building when the roof replacement repair.