ラテックスーフルーツ症候群と花粉: 食物アレルギー症候群の機序と対応

摘要

1. ラテックスーフルーツ症候群（LFS）や花粉症に伴う食物アレルギー症候rn群（PFAS）では，感作の成立段階（ラテックス手袋や花粉）と症状の誘発rn段階（野菜や果物）に別々の蛋白質抗原が関与し，両蛋白質抗原が交叉反rn応性を有することにより即時型アレルギーが誘発される．rn2. LFSの場合，ラテックスアレルギーの主要抗原であるへペイン（Hev b 6.02）とクリやアボカド，バナナなどに含まれるN末端部にへペイン類rn似ドメインを含むクラスⅠキチナーゼとの交叉反応が有名である．rn3. PFASは，症状を引き起こす主な食物抗原が，熱や消化酵素に対して不rn安定な蛋白質であることから新鮮な果物や野菜が誘発原因になると同rn時に症状が口腔周辺に限定されると推測される．rn4. LFS,PFAS患者への対策としては，原因物質の接触や摂取の回避がrnもっとも大切である．