賢からのK排泄調節とアルドステロンパラドックス

摘要

腎からのK排泄は遠位部の尿細管で調節されている.Kは糸球体で濾過され，尿細管に1曰に4 mEq/L x150 L/日=600 mEqが流れ込む.このうち90%は近位尿細管およびヘンレのル一プ上行脚 で再吸収され，遠位尿細管以降に流れ込むのは60 mEq程度である.通常食では1曰100 mEq (=4 g)程度のKを摂取し，翼便中に10 mEq程度排泄される.このため，遠位部の尿細管でのK分泌によ り出納が維持されている.分泌は主として皮質集合管で行われるが，分泌量を決定するのはアルドス テロン作用とここへ流れ込むNaと水の量である.アルドステロンは集合尿細管でNa再吸収を高める ことにより.尿細管腔内を電気的に陰性化してKの分泌を促進する.このK分泌には到達するNaと 水分量が十分あることが必要である.一方，副腎でのアルドステロン分泌はアンジォテンシンnとと ちに血清K濃度の上昇で亢進する.