等電位法に基づく分布型オーバサンプリングA-D変換を用いた触覚センサ

摘要

ロボットに代表される自動制御機器の安全性確保，あるいはコミュニケーションの手段として，触覚センサへの要求が高まっている．しかし，これまでに開発された触覚センサは，設置面積・コスト・生産性などに欠点を抱えており，応用範囲が限られていた．この間題を克服するために，圧力分布の検出・A-D変換・信号処理・伝送などの機能を単一のLSIに集積する手法を提案する，本論文では，このようなシステムLSIの要である，圧力分布の検出とA-D変換を行う回路について述べる．集積回路化にあたり，既存の検出回路である等電位法を詳細に解析したところ，いくつかの問題点が明らかになった．これらの解決法として，等電位法とオーバサンプリングA-D変換の機能を融合した回路を提案した．これを実装したチップを用いて圧力分布の測定を行った結果，提案した回路が正常に動作することを確認した．