パラメトリック・デザインを用いた門型フレームCLT 折板構造の簡易解析手法に関する研究

摘要

近年、日本における森林の現状として、戦後に植林した木が育ち、樹齢50 年前後の使い頃の木が増え、活用する時代を迎えている。研究背景を踏まえ、近年になり急速な伸びを見せており、新しい木質構造材料である、CLT(Cross LaminatedTimber)を用いた設計について研究する。本研究では、CLT を用いた折板構造の設計を行う。折板構造とは、平らな板をある角度をもって組み合わせた構造である。折板構造は、①床や壁など平面状の構造を屛風状に折り曲げるものと、②曲面を複数の平板で置き換えるものの二つに大別することができる。今回の研究では①の折板構造形態での設計を行う。また、折板構造設計の過程にパラメトリック・デザインを用いて、実際に建てることを想定した設計荷重を仮想付加し、各要素がもたらす歪みエネルギーの関係性を検討する。また、簡単に大規模な折板構造を構築できるように、単純なユニットを組み合わせること想定する。さらにワンユニットに対して設計荷重のもとで、構成する材積あたりの空間の容積が最大となる形状を模索することを目的とする。