水中電磁気会議Marelec 2015から見た艦艇水中電磁気技術の動向

摘要

水中電磁気会議Marelec (Marine electromagnetics conference)は海洋中あるいは海洋と相互作用して起こる電磁気現象についての国際会議であり、1997年帝国大学(英国)で開催されてからほぼ隔年に欧州、1回は米国西海岸で開催された。2013年にハンブルグで開催された会議Marelec 2013ではカナダ、ドイツ、オランダ他のRIMPASSE (Radar-Infra-red electro-Magnetic Pressure Acoustic Ship Signature Experiments)計画の試験結果が多数発表され、そこから読み取る技術の動向を防衛技術ジャーナルに寄稿した。本年はこの会議として初に米国東海岸のフィラデルフィアでMarelec 2015が開催された。水中電磁気現象は艦艇や機雷等を探知する技術、対抗して探知を防止する技術ととちに海底資源の探査にも利用されており、この会議は防衛関係の研究者、技術者とともに探査関係の人々が混在する小規模ながら専門性の高い会議である。この会議で扱う艦船磁気技術は第2次大戦中に磁気機雷が開発されて以来、艦船を大破させる極めて有効な技術として、その危害度の高さから世界各国で途切れることなく研究が続けられている。Marelec 2015に参加して調査したこの水中電磁気技術の動向のうち、特に防衛面で注目される発表および技術について紹介する。