自動車用電動力応用システムの技術動向Ⅱハイブリッド車用重希土類フリーモータの磁気形状に対応したNVH 低減技術

摘要

自動車産業に対しては，地球環境影響を考慮しCO2 排出量を減らすことが求められ，電動車両の開発がますます盛hになっている。ハイブリッド車両や電気車両に搭載される駆動用モータには高出力,高トルクが要求され，一般的に最大エネルギー積((BH)max)の高いネオジム磁石が採用される。それに加え，高温,強逆磁界環境下で使用されるため，高い保磁力が要求される。その保磁力を向上させる手法としてジスプロシウムやテルビウムといった重希土類を添加することで磁気異方性を変化させることが一般的に用いられている。しかし，希少資源である重希土類は採れる鉱物の中でもわずか2%程度であり，増加する電動車に対し，供給リスク観点と価格不安定性から重希土類を使用しないモータ開発が必要となる(図1)。(1)ハイブリッド車用の重希土類フリーモータを開発するに際し, NVH 性能の向上も行った。(2) モータ音に対する車体伝達寄与解析より，寄与度の高い箇所を評価点とする効果的な評価手法を確立した。(3)モータトルクリプル低減として，磁気形状の変更および高調波電流重畳制御を適用することにより車体特性を変更することのないNVH 低減技術を確立した。