ラグビーとリーダーシップ

摘要

昨年開催されたラグビーヮールドカップをきっかけに空前のラグビーブームが到来した。私の妻もそれまではルールが判り難いと言って見向きもしなかったが,今回は日本チームの主要メンバーの顔と名前も覚え，日本の試合をはじめ主だった試合をビデオに録画してくれた。『土木技術』でラグビーをテーマに取り上げて頂いたのも，ワールドカップでの日本チームの活躍により，多くの建設人にもラグビーに関心を持って頂いたおかげではないかと思う。私は縁有ってラグビー漬けの高校時代を送り，チーム最大の目標であつた兵庫県大会で優勝することもできた。とはいうものの編集担当の方から「ラグビーと土木」というテーマを頂き，「土木」とのかかわりについて何を書けばよいのか思い悩hだが,初代土木学会会長の古市公威氏が「いわゆる将に将たる人を必要とする場合は，土木において最も多いのである」との言葉を思い出した。15人という多くの仲間で様々な役割を分担しつつ臨機応変の対応で"トライ"というーつの目標に向かって戦うラグビーを通じて学hだ，"リーダーシップ論"や"組織論"が,私の社会人，組織人,建設人としての考え方に大きな影響を与えてくれたように思う。その辺りのことを.思いつくまま述べてみたい。