ソリューションフォーカスト·ブリーフセラピーを活用したアルコール依存症治療·リハビリテーションプログラム：多職種チームアプローチと自助グループとの連携

摘要

近年，わが国のアルコール依存症への入院治寮プログラムは，「認知行動療法」や「動機づけ面接」などさまざまな技法が導入されてきている。われわれは，平成16年4月～平成19年3月の3年間にアルコール依存症専門病棟においてソリューションフォーカストブリーフセラピー（Solution-Focused-Brief Therapy；SFBT）を導入したアルコールリハビリテーションプログラム（Alcoholism Rehabilitation Program；ARP）による入院治療をアルコール専門病棟にて行ったため，ARP SFBT-Modelとして紹介し，その実践を報告する。ARP SFBT-Modelは，「SFBTの概念を基盤としたARP」である。「ARP SFBT-Modelの基本姿勢」「ARP SFBT-Modelの治療原則」をプログラムの基盤とし，SFBTを取り入れつつも，従来から行われている12ステップへの導入を目的としたアプローチも尊重している。本プログラムは，家族教育プログラム·作業療法·SST·ミーティングなどの複数の治療要素を統合したものである。さらに，ARP SFBT-Modelが機能するための要因として，「休息プログラム」と「依存症及びSFBTに関する教育システム」が必要不可欠であることを述べた。今後もさまざまなARPの開発が望まれた。