一般非定常流に対する滑面境界層理論の展開および底面剪断力評価への応用について

摘要

本稿では非定常流下での底面剪断力の評価手法を構築するため，代表的ないくつかの粘性分布の仮定の下でnLaplace 変換法により境界層方程式を解き，任意の非定常性を持った主流に対する境界層理論解の導出を行った．n導かれた解に基づく底面剪断力は，カーネル関数による主流加速度の時間畳込み積分として表わされ，カーネnル関数は基となる粘性分布によって異なる時間分布特性を示した．異なるカーネル関数の比較を通した考察にn基づき，層流から乱流に至る幅広い流れを統一的に扱うことのできる結合カーネル関数を考案した．解の妥当n性を検証するために，正弦波や孤立波のような代表的な非定常問題に適用した結果，層流から乱流にいたる幅n広い条件で，主流との位相差を考慮して底面剪断力を適切に評価できることが示された．