新旧モーガンを繋ぐDNA

摘要

イギリス人はコンテンポラリーという表現が好きだ。これは"同時代的"と訳するべきもので、目新しいとか、イカしているとか言った意味ではないが、しかし肯定的な響きを持つ。モーガンというクルマに触れるたびに、いい意味で期待を裏切られてきた。最近のモデルの意匠はよりクラシカルの度合いを深めてきているが、時代に合わせて刷新されてきたエンジンパワーはとてつもないほど。それでも相変わらず、姿かたちは平然としている。一見古臭いように見えるのだが、実はいつの時代も"コンテンポラリー"であり続けているという点も、多くのファンを驚かせてきたモーガンの魅力だろう。1936年に誕生したモーガン4/4が今日まで迪ってきた1本の時間軸を、人は''伝統"と表現する。だが伝統は古さと同義ではない。そう鉄製のラダーシャシーとスライディングピラー式の前脚を組み合わせた4/4の走りは、誕生当初は超がつくほどのレーシーなものであり、今日でもまだ充分に"レーシー"という形容が当てはまるのである。