揚川橋の設計と施工: 上下部一体のデザイン&ビルド型橋梁工事

摘要

国道49号（福島県いわき市～新潟市）は，磐越自動車道と共に太平洋側と日本海側を結ぶ主要幹線道路である.このうち，新潟県東蒲原郡阿賀町津川～同町谷花地区に至る区間は，線形が悪く幅員が狭いうえ，急峻な岩盤斜面が阿賀野川に迫る路線であった.そのため，土砂災害，落石，雪崩の危険性が高く，通行規制区間（連続雨量150 mm）の指定を受けていた.国道49号揚川改良は，このような問題や災害の危険性を解消し，落石危険箇所を迂回する安全で円滑な交通を確保することを目的として，新潟県東蒲原郡阿賀町津川～同町黒岩に延長7.5 kmのバイパス道路を建設する計画である.このうち揚川橋新設工事は，一級河川阿賀野川を渡河する橋長343.2 mのPC 3径間連続ラーメン箱桁橋の架橋工事である（写真-1,図-1）.なお，架橋位置の下流450mには揚川ダム（東北電力）があり，河川部はダム湖となっている.