世界を覗き込む家

摘要

2020年、世界中の人たちが移動を制限され、家に竈る生活をすることになつた。それは多くの人々にとつて、家のことを改めて深く考える契機にもなつたはずである。東京の狭い家に菴りながら、やはり自分も建築家として、人問の家について、そして住むこと一般について、思いをめぐらせた。それはこのパンデミック後に家がどう変わるかといった未来予想というよりもむしろ、「家だからこそできること」を改めて問い直す時間だった。そのなかでたまたま出会った、ニつの家のイメージがある。共に日常的なイメージであるがゆえに、「家だからこそできること」をむしろ浮き彫りにしているように見えた。