成長マシーンとしての都市

摘要

都市が経済成長のプラットフォームであることは、もはや誰 も異論はない。それが具体的にどのように実現されるのか については、議論もある。ひとつは同質のものをたくさん集 め、外部性（例えば、その産業に関するノウハウを持った人材のプールや その業種に特化したサポ一ト産業など）の集積を実現することで、そ の業種の集積がさらに進み、競争が激化して成長が実現さ れるのだという考え方だ。例えば、シリコンバレーなどがそ の例だ。それに対して、ジェイン•ジエイコブズが主張したよ うに、都市は多様性があることで成長が促進されるのだとい う考え方もある。デトロイトなどを見れば、過度の単一用途 集積は確かに外的なショックに弱くなるのも間違いない。 実際には、単純な機能集積ではなく、それがどんな企業構造 で実現されているのか、その集積のなかでの情報の流通が どうなつているの力、、といった細かい仕組みが成長を左右す るようだ。