ウシ精巣性ヒアルロニダーゼの活性に及ぼすデルマタン硫酸オリゴ糖の阻害効果

摘要

【目的】ウシ精巣性ヒアル口ニダーゼは、ヒアルロン酸（HA)およびコンドロイチン硫酸（ChS)の加水分解反応と糖転移 反応を触媒するェンド-β-N-アセチルへキソサミニダーゼである。いずれの反応も糖鎖工学的に有用であり、この酵素の活 性を調節する物質に興味がもたれる。本研究では、両反応に及ぼすデルマタン硫酸(DS)由来のオリゴの糖の影響を調べた。【方法】DS由来オリゴ糖は、ヒドラジン/亜硝酸分解処理したDSをゲルろ過HPLGで分離した画分を用いた。各画分に含ま れるオリゴ糖の組成はイオンスプレー式質量分析で評価した。ウシ精巣性ヒアルロ ニダーゼの加水分解にはHA八糖を基質 として用いた。糖転移反応にはビリジルァミノ化したHA六糖をアクセプター、長鎖のHAをドナーとして用いた。反応生 成物は、YMC-Pack Polyamine Ⅱカラムを用いた順相HPLGで分析した。