臨床病理検討会 （Clinical Pathological Conference）大腸腫癖の術後，肺，膵，肝，リンパ節などに多発する腫癖を認め急激な経過で死亡した1例

摘要

上行結腸に2型腫瘍が疑われて切除術が施行された後に，肺，肝に多発性の壊死性腫癖と系統的リンrnパ節腫大，孤在性の膵腫痛が確認され，急激な経過をとって死亡した症例である．臨床的には大腸癌おrnよび膵腫瘍の多発転移が疑われたが，病理学的にはいずれにも径200－500μmの筋性血管における壊死rn性血管炎像と壊死を伴った類上皮肉芽腫形成像であった．血管炎の形態は結腸切除材料では，壊死性肉rn芽腫性血管炎とPN型血管炎の双方の組織像が見られたが，他の臓器では壊死性肉芽腫性血管炎の像でrnあった．ANCA関連病変が示唆されたが，ANCA陰性で腎にはそのinvolvementを認めなかった．今日rnまでに報告されてきたPN型叫管炎，Wegener肉芽腹症のいずれにも合致しない特殊な血管炎である可rn能件がある．