粘性蛍光プローブを用いた高分子水溶液のゾル-ゲル相車云移の研究

摘要

ゲルとは三次元的な網目構造を持ち、その内部に溶媒を含み膨潤したものであり、食品、化粧品、医薬品などに用いられている。ゲルはネットワークの形成の仕方によつて物理ゲルと化学ゲルの2種類に分類される。物理ゲルは水素結合などの弱い相互作用で架橋点を形成するため、加熱、冷却によって転移を起こす。寒天に代表される多糖類水溶液のゲル化機構ゃミクロ構造については盛hに研究されているが、その手法は主にレオロジ一測定や熱測定等のマク口評価であり、ミクロ物性の評価はなされていないのが現状である。本研究では水溶性の粘性螢光プローブのァゾルビンを利用し、ゲル化剤としてジエランガムを用いてミクロなゲル化機構の解明を試みた。ジェランガムは物理ゲルであり、透明性が高い熱可逆性のゲルを形成する食品多糖類である。ゲルはカチオン存在下で加熱溶解したジヱランガム水溶液を冷却することにより形成される。粘性蛍光プロ 一ブは溶媒の粘度が高いと蛍光プローブの分子内回転が阻害され、蛍光強度が増加するため、ジエランガム溶液中の分子周りのミクロ環境の変化を測定可能とする。