乳成分を含む飲料からの微生物検出に向けた前処理方法の検討

摘要

乳成分を含hだ飲料中の微生物検出においては、培 養法が主流であるが、検査には微生物の培養時間が必 要となることから、PCR 法などの遺伝子検査が他の選 択肢として着目されている。しかし、牛乳由来のカゼ インミセルや脂肪球はポリメラーゼ連鎖反応を阻害す ることが報告されており1)、微生物と牛乳成分の分離 が必須となる。また、ボトルなどに混入した微生物量 を把握するため、ボトル内の全液量を検査に用いるこ とが望まれている。そこで、乳成分を含む500 mL 程 度の容量から乳成分を除去する前処理工程を行うこと が、微生物検査において必要となる。本研究では、微 生物検査の前処理工程として、密度勾配遠心を用いた 乳成分の除去を目的とし、牛乳由来のカゼインミセル や脂肪球が含まれる乳飲料中に混入した微生物を密度 勾配遠心により分離できるか、遠心条件(遠心時間、 遠心力)と溶質について検討した。