球座による大容量力計校正の不確かさ低減

摘要

力の計測は，材料の強度試験，輸送機器や加工プロセスの制御などに用いられ，産業を支える重要な要因の一つである．近年では，重要な計測結果には国家標準へのトレーサビリティが要求されるため，力の計測機器の校正方法を確立，発展させることが重要である．力計の校正における主要な不確かさ要因の一つに，設置方向を変更した際の再現性が挙げられる．これは，受感軸（垂直方向に配置される場合が多い）のまわりに力計を回転させた際に生じる出力変化であり，力計や校正装置の非対称性，力計と校正装置の軸の不一致，校正装置の傾斜，応力分布の不均一性などに起因する．