大きな静電容量可変率をもつ流体MEMSキャパシタの液滴駆動評価

摘要

微小流体の駆動制御は、今まで、光学や医学の応用分野で積極的に研究が行われてきた。今まで、熱駆動やポリマー材料のマイクロポンプを利用した方法などが報告されている。EWOD原理は、消費電力が小さく、また機械的駆動部を必要としないなど、小型携帯端末への搭載に有利な駆動制御を提供すると期待される。しかし、流路の幅を10μm程度に狭くすると流路内部の摩擦力が大きくなり、大きな駆動電圧が必要となることが実験からわかった。これは、現在の携帯端末機器の使用電圧を低減させるという要求に全く合致しない。このため、EWOD原理で流体を駆動するのに必要とされる駆動電圧を低減するための設計指針を示すことが重要である。本研究では、流体駆動に必要な駆動力をEWODを使用せずに直接に導出する。続いて、流体可変MEMSキャパシタへの適応を目指して流体の双方向駆動をするのに適したEWOD電極の評価を行う。