タール由来炭素質物質により高強度化した低強度コークスおよびチャーのガス化反応性

摘要

製鉄用コークスには、高炉の低還元剤比換業によるCO2排出量削減を実現するため更なる強度増大が望まれている。しかし、その原料となる良質な粘結炭は、近年のアジア諸国における鉄鋼需要の増加にともない使用量が増している。そのため、粘結炭の価格高騰と枯渇が懸念されている。従って、コークス製造用石炭資源拡大の観点から、安価で埋蔵量が豊富な劣質炭（非微粘結炭や非粘結炭（亜れき青炭等））からのコークス製造技術の開発が重要である。よく知られている様に、コークスは高炉内における燃料源、還元剤の他に通気性確保のためのスペーサとしての役割を担うことから、高強度·高ガ ス化反応性の特性が求められている。また、コークス以外の還元剤を使用するプロセスでは、高強度·低ガス化反応性コークスの開発が焦眉の課題となっている。これまでに我々は、低強度コークスや低品位炭の熱分解チャーの細孔内にタール由来の炭素質物質を充填させることで、それらの強度を改善可能であることを明らかにしたものの、そのガス化反応性は調べられていない。