バイオマス繊維をろ材としたカラム懸濁液浄化装置に関する 研究

摘要

無機物や有機物の微粒子が水中に分散した懸濁液は自 然環境に排出されると環境問題となり、その除去技術 が注目されている。多くの場合濾過技術が活用されて いるが、深層濾過法は、ろ材表面のみならず、内部も 効率よく濾過に活用でき、装置サイズが小さく保てる 利点がある。我々は繊維状素材を深層濾過の充填材に 用いることにより、低い圧力損失で、高い粒子捕獲率 を達成できると考え検討している。またバイオマス繊 維濾材は、一般的に使い捨て可能で、安価である等の 利点があり、バイオマス繊維に注目した。本研究では、 バイオマスの中でも、バナナ繊維を濾材として利用し た深層濾過法に着目し、小型の懸濁液ろ過装置の開発 を目的とし、その浄化条件を検討した。本報では、原 料のバナナ繊維を酸やアルカリ化学処理した繊維状濾 材を用いて、カオリン懸濁液の処理検討を行ったので、 結果を報告する。