マイクロギャップ並行平板型電極を用いたIgG インピーダンスバイオセンサ

摘要

我々は電気化学インピーダンス（EIS）法を用いたバイオセンサ開発を行ってきた．このEIS 法は溶 液界面での吸着現象をインピーダンス変化で捉える手法で，生成物を生じない抗原抗体反応などを非 標識で測定可能な手法として注目を集めている．これまでのEIS 法に対する高感度化は，電極間隔の 狭い微細櫛形電極の使用が一般的であった．これは電極間を狭める事によりレドックスプローブの酸 化還元サイクルが高速化され，信号の高い変換効率が得られるためである．しかし電流密度解析によ ると，櫛形電極間に流れる電流は櫛のエッジ部分に過度に集中している 一方で，櫛中央部分にはほとhど流れていない事が指摘されている（Fig. 1）．すなわち電極形成時に乱れや欠陥が最も入りやすいエッジ部分で電 流測定を行っており，安定で平滑な表面である櫛中央部のセンシング特 性への寄与はほとhどない状態である．