車輪·レール間の動的転がり接触解析による車輪フラットの接触挙動評価

摘要

車輪やレールに生じる摩耗やき裂などの損傷，レールとまくらぎを支えるバラスト軌道の劣化（沈下），カーブ区間などで発生するきしり音などは，走行中の鉄道車輪とレール間の接触や衝撃荷重に起因する問題である．しかしながら，車輪·レール間接触部には数百MPaにおよぶ応力が発生することから，実現象に即した接触挙動の測定は困難であるため，応力分布はもちろh，車輪とレールが接触する位置関係すら正確に把握することは難しい．そこで数値シミュレーションによって車輪が動的に転動している時の車輪·レール間接触挙動の再現を可能にすることで，摩耗やき裂等の種々の劣化現象の発生要因や成長要因の特定，またそれらを低減させるような形状設計，対策工の評価に資することを目指し，有限要素法（以下FEM）による「車輪·レール転がり接触シミュレータ」を開発している．