生体電気インピーダンス法によるエゾシカ肉の評価

摘要

我々は、エゾシカ肉の品質評価の一環として、電気イン ピーダンス測定が有効であるかどうかを検討した。検討の 過程で牛肉に関する検証を行ったが、他者の報告例では牛 を生きたまま、あるいはと畜後24 時間後という希少データ であったため、直接比べることはできなかったが、我々の 結果では、牛肉の格付けが可能であることを明らかにした。 一方、エゾシカ肉に関しては、解体した次の日の肉を測定 できたため、鮮度評価が可能であることを見出した。さら に、保存状態によっても測定結果が異なることから、保存 状態に関する評価を行うことが可能であり、特に熟成度合 いの評価は、今後のエゾシカ肉の普及に関して有用な情報 となり得ることが明らかとなった。前述したように、エゾ シカ肉に関しては、晩秋がシーズンとなるため、その後の 保存状態がエゾシカ肉のおいしさを左右する大きな要因と なるものと思われる。したがって、我々も今後は熟成度と 肉質との関連について検討して行く予定である。