ソルボサーマル固化法によるニオブ系ペロブスカイト型酸化物ナノ複合セラミックスの 作製と圧電誘電特性の界面構造依存性

摘要

チタン酸ジルコン酸鉛[Pb(Zrx,Ti1-x)O3; PZT]は，圧電特性に優れており，ピエゾインジェクターなど の様々なデバイスに用いられているが，環境への配慮から PZT の代替が可能な非鉛圧電材料が求められてい る．非鉛圧電材料の有力な候補として，キュリー温度が高く，高温環境下においても使用可能なニオブ酸系 の材料が挙げられるが，実用化するには更なる圧電特性の改善が必要である．PZT は，正方晶と菱面体晶か らなる結晶相境界(MPB)において結晶系の違いにより構造傾斜領域が導入され， 分極回転機構が生じること で優れた圧電性が発現すると考えられている[1]．