層状ペロブスカイト酸化物 Sr3Zr2O7の B カチオン置換による構造相転移

摘要

反強誘電体は、強誘電体と同じように電気双極子モーメントの配列に秩序があるものの、強誘電体 と異なり電気双極子モーメントが互いに反平行に並ぶため、正味の自発分極を有しない物質である。反強誘 電体に外部電場を印加すると、大きな静電エネルギーが低損失で蓄積される。このため、反強誘電体は高効 率のエネルギー貯蔵材料として期待されている。これまで(Pb,La)(Zr,Ti)O3や(Pb,La)(Zr,Sn,Ti)O3などの PbZrO3 系反強誘電体が精力的に研究されてきたが、それらは有害な鉛を含hでいるため、環境への負荷が ない非 鉛反強誘電体の開発が求められている。