硫化物系固体電解質を有するフルセルにおける 活物質の体積変化と拘束圧の影響

摘要

硫化物系全固体電池は良好な活物質/固体電解質界面を保持するため、拘束圧を印加しながら充放電を行う。 しかし、拘束圧の影響について系統的に調べられた文献は少ない。シリコンのように体積変化の大きい活物 質では、150 MPa 以上の拘束圧で Si のひずみエネルギーにより過電圧が高くなり充放電容量が減少すること が報告されている 。一方、実用化に向け電極面積が大きくなるにつれ、高拘束圧を印加することが不可能と 1) なる。また、将来的にはエネルギー密度向上のため固体電解質(SE)層の薄膜化が進む。そこで、より低い拘束 圧（75、50MPa）を選択し、ハーフセルよりも薄い SE 層(65~80·m)を持つフルセルで負極の体積変化が正極 にどの程度及ぶかを調査した。