無機発光材料の構造制御に基づく複合的光学機能の創出

摘要

一般に、蛍光体に代表される無機発光材料において、その発光特性は材料の合成方法とその結果と してもたらされる微細構造（粒子のサイズや形態、粒子の集合状態など）の影響を強く受ける。ミクロンサ イズの粒子からなる粉体が最適な構造とされる照明·ディスプレイ用蛍光体に対し、ナノサイズ化あるいは 薄膜化された発光材料では、光透過や光散乱など発光以外の光学特性が顕著に現れるようになる。発光材料 の新しい機能や新しい用途の開拓には、このような光学的特徴をうまく利用した機能集積の考え方が有用で ある。演者らは、蛍光体に種々の光学機能を付与した新たな概念の発光材料の開発に取り組hでおり、本講 演ではおもに、それらのデザインとプロセッシングについて述べることとする。