CBD法による配向性前駆体膜を経由した ZnO膜の作製と色素増感太陽電池への応用

摘要

色素増感太陽電池(Dye-Sensitized Solar Cells; DSSCs)の光アノード電極材料として ZnO が候補に挙げ られる。先行研究では，化学浴析出(Chemical Bath Deposition; CBD)法を用いて密閉された水溶液中で基板上 に層状水酸化物炭酸亜鉛(Layered Hydroxide Zinc Carbonate; LHZC)膜を作製し，さらに低温で熱処理すること で ZnO に変換した後，DSSCs に応用している[1] 。LHZC は水酸化亜鉛層の間に炭酸イオンと水分子がインタ ーカレートされた構造をとり，LHZC 膜を焼成すると形態を維持した ZnO に変換される[2] 。よって，LHZC 膜を高密度に作製すれば，その後に得られるZnO 膜は高い変換効率を示すと予想される。本発表では，密閉 系(Closed)及び非密閉系(Unclosed)のCBD法において溶液の体積及び溶質濃度がLHZC膜の微細構造に与える 影響ならびに熱処理後の ZnO 膜の DSSCs への応用について報告する。