(P100-P0064)異なるLPSO 相量を有するMg-Zn-Gd 系合金圧延材の機械特性と組織の関係

摘要

Mg は実用金属中最軽量で次世代の構造材料として注目されている。しかし、Mg 合金はAl合金と比較して機械的特性に優位性が少なく、Al 合金ほど実用化が進hでいない。近年、新しいMg 合金として長周期積層構造（LPSO）型合金が開発された。このMg 合金は、超々ジュラルミンよりも高強度[1]で、Al 合金では乏しかった耐熱性も有する[2]。河村らは、急速凝固粉末のMg97Zn1Y2(at.%)合金を熱間押出しした場合、従来のMg 合金を大幅に上回る610MPa の引張降伏強さと5%の伸びを示すことが報告している[3]。この著しい強化は、α-Mg 相の結晶粒微細化とLPSO 相の晶出だけでは説明がつかず、LPSO 相へのキンク変形と呼ばれる特異な変形組織導入によって起こることから、キンク変形は新たな強化機構として着目されはじめている。キンクの形態は、くさび型とローテーション型の2 つ存在し、熱間押出しによる相当ひずみとそのキンク形態、分布の関係が調査されている一方で、押出し以外の塑性加工法での調査は乏しい。