(J3-1147)電析チタン箔の電極からの剥離性に及ぼす影響因子（ 電析法による高品質チタン箔の製造 - 2 ）Factors affecting separativeness of deposited titanium foils from cathodes( Manufacturing of high quality titanium thin foil by electrodeposition route - 2 )

摘要

チタンの薄板や箔を低コストで製造できる可能性のある方法として、一般的なチタン薄板製造工程の溶解、熱延、冷延、焼鈍などの諸工程を省略あるいは簡略化でき、スクラップや低廉スポンジチタンなどの廉価原料が活用できる「平滑電析法」が検討されている1-4)。この方法は、Tokumoto ら1)によって提唱された方法で、これまでに、O やFe などの不純物元素の少ない高純度の薄膜状チタンが得られているが1)2)、単に平滑に電析させるだけでなく、工業的観点からは、この電析チタン箔は電極から容易に剥離できなくてはならない。このような観点から適正な電解?電析条件を探求した結果、貫通孔などの欠陥がほとhどなく、平滑で、陰極からの剥離性にも優れた高品質チタン箔が得られており3)4)、150 × 90 × 0.1 mm 厚の比較的大きな寸法のチタン箔も得られている4)。この剥離性には、特に電流密度が影響を及ぼしていることが指摘されているが4)、その機構は明らかにされていない。そこで本報では、前報4)に引き続き、種々の条件で製造した電析箔の剥離性と詳細断面観察を行い、チタン箔の電極からの剥離性に及ぼす影響因子の詳細を調査した。