( P121-P0077) 有限温度下における純マグネシウム中らせh転位の移動性評価

摘要

マグネシウムは実用金属材料中で最軽量であり, 加えて高リサイクル性, 高比強度などといった優れた特性を持つことから次世代の構造材料の候補として注目を集めている．しかしながら常温での成形性が劣悪であるため工業製品における主要な構造材料として十分には普及していない．マグネシウム結晶は最密六方構造を有し, 常温では柱面·錐面といった非底面すべり系の活動は生じにくく, 底面すべり系のみが支配的となる．そのため部材の変形に顕著な異方性が生じ, これがマグネシウムにおける成形性を著しく低下させている．一方で高温環境下においては, 常温で制限されていた非底面すべり系が活動を開始することが実験的に知られており, その詳細について理解することはマグネシウムの成形性を改善するうえで重要な知見になると言える．