ステンレス鋳鋼配管弾塑性破壊力学評価法のJSME維持規格とASME Section XIの比較

摘要

日本機械学会（JSME)維持規格では，オーステナイト系ステンレス鋼（SS）管の亀裂評価手法があり，この中にはステンレス鋳鋼（CASS）管も含まれる．CASSは，熱時効により靭性が低下するため，現行規格では，フェライト量が20%の熱時効飽和条件での破壊靭性値を使用した弾塑性破壊力学（EPFM）手法（Z係数法）が規定されている．EPFM手法では，延性不安定破壊荷重（応力）と極限荷重解析で得られた最大荷重（応力）の比をあらかじめ求めておき，破壊評価時に極限荷重解析で得られた最大応力にこの比分だけ増倍して，許容応力との比較をする．この比をZ係数と呼び，現行規格では，外径の関数として定式化している．