(13-0218)自己治癒セラミックスの新展開 -治癒活性相3D ネットワークの設計-

摘要

航空機産業は大きな市場拡大が見込まれ、特に、エンジンの高効率化に寄与する新規耐熱材料の開発は、日本の持続的発展に必須の技術分野である。中でも、人の骨のように「自律的」かつ「完全に」き裂を治癒できる自己治癒セラミックスは、新規耐熱セラミックスとして、タービン部材への適用が期待されてきた。一方で、従来材（Al2O3/SiC 複合材）においては、1200～1300°Cの限られた温度領域でしか、き裂を短時間で完治することが出来ないという問題があり、低圧～高圧タービン翼が稼働する、600oC から1500oC 程度の幅広い環境下で、き裂完治可能な自己治癒セラミックスの設計指針の構築が求められてきた。本研究では[1]、長年未解明であった自己治癒機構の解明に着手すると共に、その律速過程を制御可能な、「治癒活性相3D ネットワーク」という新規設計概念を提案する。