( S1.38-S0104) 電子ビーム三次元積層造形法で作製したTiAl 合金におけるバンド状γ等軸粒が室温延性に及ぼす影響

摘要

TiAl 合金は高い比強度を有する高温耐熱合金であり、航空機の燃費向上のためにジェットエンジンの低圧タービン翼に用いられ始めている。しかし、従来の精密鋳造法では室温延性が低く、加工が難しい等の問題がある。そhな中、電子ビーム三次元積層造形(3D-EBM)法はこれらの問題を解決しうる手法の1 つである。3D-EBM 法でTiAl 合金を作製すると、溶融池からの熱影響に由来してDuplex 組織とバンド状γ 等軸粒(γ バンド)からなるバンド状組織が形成され、これにより従来の造形法よりも室温延性が向上する[1]。我々は以前、疲労特性の向上には欠陥?気孔の低減が必要であり、またγ バンド幅には最適な値があることを明らかにした。本研究では、微細組織制御のための造形条件の1 つであるビーム走査速度の変更に加え、欠陥?気孔の低減のために熱間等方圧加圧(HIP)処理を施し、γ バンドと室温延性の関係を明らかとすることを目的とした。