デジタル式アコースティックエミッションセンサの開発

摘要

アコースティック·エミッション（AE，音響放射）とは，材料が外力によって変形あるいは破壊に至る際に発生する音であり，モノづくりの現場で使われるCNC 工作機械における軸受の初期破損や余寿命の推定や，各種金属材料の塑性変形中の材料モニタリングをInSitu かつ非破壊で実現することを可能とするものである．その検出は，材料中を伝搬してきたAE を材料表面に張り付けたAE センサを用いることで行う．しかしながら，従来のAE センサは，PZT のような圧電材料を用いたものが主であり，計測したデータに対して周波数解析をする必要があることから，信号処理装置を含め大がかりな装置構成が必要とするため，InSitu モニタリングには不向きである．本研究では，MEMS（Microelectromechanical systems）技術を用いて，材料内部で発生するAE を非破壊で周波数特性の分解·検出を可能とする構造を有したデジタル式AE センサの開発を行っている．本報では，検出部となるSi 製カンチレバーの共振周波数のシミュレーションを行い，応答周波数100k～1MHz を有するセンサの設計を行った．また，MEMS 技術を用いてSi 製カンチレバーを試作し，その検出性能の評価を行った．